今回は「110Trade(イトートレード)」という比較的有名なMAMが破綻したことで、多くの被害者が出た件についてお話します。
「ドローダウン10%以内」
「強制ロスカットが存在しない」
として利用者や資金を集めていたようですが、先日ついにマスター口座の残高が-83.48%になるという、実質的な破綻を迎えました
それによって利用者の多くは、多大な損害を出したり、大切な資産をすべて失ってしまったそうです
FXに身を置くものとして、また投資のリテラシー向上を進める意味でも、何が起こったのか、どこに注意を払うべきだったのか解説していきたいと思います！
破綻の原因や、その後に募集される可能性のある追加の詐欺案件についても紹介するので、ぜひ最後までしっかりと読んでください！
「110Trade(イトートレード)」ってどんなシステム？
まずは、「110Trade(イトートレード)」の概要から紹介していきましょう
「110Trade(イトートレード)」はいわゆるコピートレードによるFXの運用システムです
専門的には「MAM(マム)」とよぶスタイルですね
簡単に説明すると、運営を親、利用者を子供に例えることができます
子供のアカウントは全て親のアカウントに紐づけられ、親の取り引きをそっくりそのまま子供のアカウントでもコピーするというもの
つまり、上手なプロトレーダーが親になれば、子供側はFXの知識が一切なくても、口座にお金を入れておけばプロと同じ成果が出るというシステムですね
健全に運用されていれば、とてもありがたい優れたシステムだと思います
しかし、中には悪徳業者もいて、わざと負けることで資金を溶かしたと偽装し、実際には運営側が残った資産を持ち逃げするというケースもあります
もちろん、こうした意図的な悪意がなくとも、システム的に親トレーダーがトレードミスをすれば、その損害は当然利用者にも降りかかるので、めちゃくちゃ注意が必要なんです
そんなMAM、つまりコピトレをビジネスモデルとしたのが、「110Trade(イトートレード)」というわけですね
「110Trade(イトートレード)」の売り文句としては、
・資金残高の90%はいつでも出金できる
・最大ドローダウン10%以内
・強制ロスカットが存在しない
・投資元本が0円にならない前代未聞の運用
・破綻しない絶対的安全性によって半永久的な運用を目指す
とのことでしたが、見事に破綻して半永久的な運用が実現できませんでしたね......
現在では「メンテナンス中」となっていますが、メンテとかそういうレベルじゃないですよね
そもそも、メンテナンスでどうにかできる問題じゃないですし
仕掛け人の伊藤彰秀(いとうあきひで)とVIP Tradeの関係は？
「110Trade(イトートレード)」を企画したのが、伊藤彰秀(いとうあきひで)です
110と書いて「イトー」と読ませるのも、自分の名前からとったとのこと
あとは語呂合わせで百獣の王ともかけてるみたいです
そしてめちゃくちゃ重要なことにこの伊藤さん、実はVIPトレードの残党なんですよね
VIPトレードというのは、2022年の9月に破綻した同じくコピトレのシステムです
このVIPトレードが破綻した時、伊藤さんは真っ先に保身に走ったことで有名なんですよね
内部情報を一般ユーザーに公開して、その流れで自分の案件に誘導したという経緯があります
他者を叩いて人を信用させるというよくある手口なんですが、それを自分の所属していたチームでやっちゃうっていうのがすごいですよね
しかも誘導先がほぼ同じ案件っていう
あくまでも個人的な意見ではあるんですが、私としてはこの時点で結構信用のおけない人だなという印象でした
破綻前に見切りをつけて独立したとか、チームの一員としてしっかりと謝罪したうえで自分の案件を始めたとかなら全然わかります
でもそうじゃなくて、破綻して炎上するとなったとたんに裏切ったような形じゃないですか
そんな経緯もあって、私はこの「110Trade(イトートレード)」、結構注意して動向をチェックしてたんですよね
「110Trade(イトートレード)」はどうして破綻したの？
じゃあ、なんで「110Trade(イトートレード)」は破綻したのでしょうか？
「110Trade(イトートレード)」はたった1日のうちに、総資産のなんと83.48%を失いました
※謝罪会見画像引用
これについては、企画した伊藤さんが一応の謝罪会見として原因を解説しています
まず前提として、「110Trade(イトートレード)」は主に3人で運用していたとのこと
・企画人の伊藤彰秀
・日本人トレーダーのToshima
・イギリス人トレーダー
の3名らしいです
今回の破綻にはおおきく2つの原因があり、そのうちの1つがイギリス人トレーダーによる人為的なミスとのこと
※謝罪会見画像引用
説明された経緯は次の通り
まず、イギリス人トレーダーが(GBP/USD)ポジションを保有しました
しかしそのポジションが、ヘッジ取引の失敗で含み損を抱えます
「110Trade(イトートレード)」の運用ルールとして、含み損が10%を超えたので、伊藤&日本人トレーダーの判断で全ポジションを損切りしました
ちょっと一旦区切りますね
この時点でもうおかしいですよね
LPでは「最大ドローダウン10%以内」と言っていたのに、超えてから初めて損切りに動いたとのこと
この時点で、ずさんな運営体制が見えますね
話を戻します
その後、損切りしたポンドドルが目標の利確ポイントまで戻ってきたこともあり、勝手にポジションを損切りしたことについて、イギリス人トレーダーが不服を示したそうです
その後、ムキになったのかイギリス人トレーダーが当日中に回収しようとトレードを行った結果、回収不能の損失を出したとのことでした
これについて伊藤側は、「自分達としては時間をかけて回収していく算段だった」と、あくまでもイギリス人トレーダーに原因があることを強調しました
ただし、イギリス人トレーダーによる当日回収については、最終的に伊藤側も納得しているので、「独断での暴走」ではなく、しっかりと「運営の判断」によるミスという事になりますね
もうひとつの原因が、「機械的な問題」であると説明しています
ちょっとここ、日本語があんまりにもひどいので、一旦お見せしますね
※謝罪会見画像引用
もう文章がめちゃくちゃで、これ読んだ瞬間ひざから崩れ落ちそうになっちゃいましたよ
まず、機械的な問題、としていますが、普通にシステム上の不具合と検証不足ですよね
文章がひどすぎるので私の方で要約しますが、要するに
・含み損が30%になると強制的に損切りするシステムを入れていた
・でもテスト不足でうまく作動しなかった
・ちゃんと作動してれば破綻しなかったのにね(テヘペロ
みたいなふざけた内容です
機械のせい、みたいな説明をしていますが、これもれっきとした人為的ミスです
しかも、言い逃れできないほど運営が悪いですよね
・投資元本が0円にならない前代未聞の運用
・破綻しない絶対的安全性によって半永久的な運用を目指す
としていた「110Trade(イトートレード)」、運営の人的ミスによってたった1日で破綻しました
伊藤さんの過去の経緯や、今回の謝罪会見という名の言い訳を見る限り、事故というよりもなるべくしてなった感が否めないですよね......
いくつかの疑問と注意点
ちなみに、たびたびやり玉に挙げられていたイギリス人トレーダーですが、最後まで謝罪会見には登場しませんでした
会見と言いつつ普通にZOOM会議だったんで、イギリス在住でも全然参加できるはずなんですよ
イギリス時間だと日曜日の昼12時とかなので
しかも、伊藤さんは「言語の問題もあり」と説明しています
もしかして伊藤さん、通訳挟まないとイギリス人トレーダーとやり取りできないってことでしょうか？
FXってものすごいスピードで相場が動くので、いちいち通訳呼んで、とかやってられないですよね？
私は最初メンバーにイギリス人がいたというのを見て、運営が英語できて、スムーズなやり取りをしてるんだろうな、と勝手に思っていたんですが、実際は違うようです
伊藤さんも日本人トレーダーも、チームメイトのイギリス人と意思疎通ができず、毎回、意思決定には通訳を呼んでいたという事でしょうか？
大分ヤバ気な環境です
なおこうした話から、「110Trade(イトートレード)」で被害に遭った人からは
「イギリス人トレーダーなんて実在しないのでは？」とのうわさもあがっています
つまり、存在しないイギリス人トレーダーのせいにして、ミスを隠蔽するなり、「資産を溶かして持ち逃げする」ための理由を作るなりしたのではないかという話ですね
そしてもうひとつ、重要かつめちゃくちゃ注意してほしいことがあります
この伊藤彰秀、懲りずに新案件の募集をしようとしているんです！
※謝罪会見画像引用
伊藤さんは「一生をかけてでも、過失分の60%相当の償いをする。いつになるかはわからないけど、税金とか法律問題とかあるけど」と言った直後の話です
「償うために新しい案件出します！参加費用は10万円です！」
どれだけつらの皮が厚いんだと驚愕しますよね
自分でお金をかき集めて、増やして、それで補填する、とかじゃないんです
10万円持ってきて！それを増やして補填したことにして！
ってことですよね？
「110Trade(イトートレード)」で資産を溶かしてしまった人は、今かなり焦っていると思います
大切な資産がほとんど無くなってしまい、将来的にも、目先の生活にも大きな不安を抱えているでしょう
そこに、「10万円あればリカバリーできます！」と言われると、弱っている人は信じちゃったりするんです
はたから見たら、完全に同じ結末になるのが目に見えているじゃないですか
でも、被害に遭った人はそうした判断ができない状態なんです
むしろ、伊藤さんはそうした判断力を失っている人をターゲットに、新しい金稼ぎを画策しているように感じますね
どうか繰り返し被害に遭わないよう、冷静に判断してください！
もし自分の周りに、家族や友人で「110Trade(イトートレード)」を利用していたという人がいたら、焦って次の案件に手を出してしまうかもしれません
どうかサポートしてあげてください！
これ以上、詐欺みたいな案件で大切な資産を失う人が増えないよう、心から願うとともに、引き続きしっかりと啓発や解説を続けていきたいと思います！！
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今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。
【自己紹介】
Forbesで取材を受けたNYトレードスクール元講師、現シングルマザー専業トレーダー
生徒実績1000名突破のFXサロン『LDF』でスマート資産形成術を教えています！
AI×投資のうさちゃんEA開発者
🍀シングルマザー
🍀3才の息子
🍀子育とFX両立
🍀22年度年1億達成！
🍀NYトレードスクール講師出身
🍀実は元レーサー🏍
🍀愛犬はマルチーズ🐶
🍀週末は息子とキャッチボール⚾
🍀ツーリング、お鮨、ワイン好き
🍀得意料理はサバの味噌煮
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